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2026年9月17日、東京・日本橋で「保険業界AI活用共創フォーラム2026」を開催しました。 保険会社やパートナー企業の方々にお集まりいただき、保険の“文書”と“判断”にAIをどう活かせるか、現場の声を交えながら話していただきました。当日お越しになれなかった方にも内容をお届けできるよう、4つのセッションを振り返ります。 PART1|保険DXを阻む「3つの壁」と、全体設計という発想 Upstage AI株式会社 保険事業統括 寺崎 夕夏

査定や支払いといった保険のコア業務は、なかなか自動化が進みません。理由は大きく3つ。大量の非定型文書、1円の誤払いも許されない厳格なルール運用、そして部門ごとに分断されたシステムです。実際、保険金支払審査だけでも1件あたり書類は6種・8ページ、発行元は3か所にわたり、様式もすべて異なります。企業データの約7割を占めるのは非構造データ、つまり文書そのもの。保険業務の本質は文書ビジネスであり、この非構造データをAI-Readyな状態に変えることが突破口となると説明しました。 OCRやLLMの精度比較だけでは、1つのボトルネックしか解消できません。大切なのは、書類の構造化から約款の照合、承認、送金まで見渡した全体設計図を描くことです。 その要となるのが、文書が持つデータ素材を保管する「Data Layer」と、意味や関係性を扱う「Context Layer」です。書類や約款を構造化データとして扱うことはもちろん、契約者・契約・事故・支払いといった要素同士のつながりまで理解できる仕組みをつくることで、AIは初めて、文脈を踏まえた判断ができるようになるといいます。 Upstageは、構造化を支援するモデルやソリューションに加え、業務全体のワークフローを踏まえた実装を加速するプラットフォーム、さらに現場に入り込んで設計図を描く「Forward Deployed Engineer」など、さまざまな側面からこの全体設計を支えています。 PART2|AI-OCRの先にある「業務変革のパートナー」へ Upstage AI株式会社 保険事業アカウントエグゼクティブ 畔柳 主税 AI-OCR市場はすでに競争が激しく、各社が複数のベンダーから声をかけられ、より高い読取精度とより低い価格を競わされる状況にあります。その結果、対象帳票の選定や精度測定、費用対効果の計算といった「ツールを導入すること」自体が目的になってしまっているケースが増えています。その先にあるのは、AI-OCR単体ではなく後続処理やLLMと組み合わせ、業務フロー全体を作り直す新しい市場です。帳票を読むことから業務を前に進めることへ、精度や価格の比較から業務の成果や変革の可能性へ。評価の軸そのものが移り変わりつつあると説明しました。 2019年、保険証券をスマートフォンで撮影するだけで自動車保険の見積もり情報を自動入力する仕組みを、複数の企業と一緒に作った話が紹介されました。30項目以上の入力が必要で書式もばらばらという難題を前に、正解が見えていたわけではなく、各社が「やる意味」を信じられたから挑戦できたそうです。後に、診療明細書など他の書類にも展開が広がっていきました。 今はUpstage Studioを使えば、業務要件とサンプル文書さえあれば、分類・読み取り・抽出・照合・判断支援まで、ひとまず動くものを短期間で一緒に作れます。「AI-OCRがあります、どの帳票で使いますか」ではなく、「どの仕事を変えたいですか、まずサンプル文書で試してみませんか」。そんな問いかけへと変わってきているといいます。 👉 Upstageの専門チームに相談する PART3|担当者の4つの動作を、4つのモデルに Upstage AI株式会社 テクニカル プログラム マネージャー ハン ボムソク/ ソリューションアーキテクト 岩間 雄樹

担当者が行っている「読み取る」「選り分けて分類する」「突き合わせる」「ルールを見て判断する」という4つの作業。Upstageはこれを、Document Classify(分ける)・Document Parse(読む)・Information Extract(抽出する)・Instruct(判断する)という4つのモデルにそのまま対応させています。 要となるDocument Parseは、表やチェックボックス、押印まで保ったまま文書を構造化するモデルで、速度重視のDPS (Document Parse Standard) と精度重視のDPE (Document Parse Enhanced) を文書の性格に合わせて使い分けます。Document Classifyは自然言語の定義文だけで書類の種別を判定し、追加学習なしに束を書類単位へ自動分割できます。Information Extractは項目定義に沿ってキー・バリューや表を抽出し、すべての値に原文の座標と確信度を紐づけられるのが特徴です。Instructは自然言語のプロンプトで約款と突き合わせて判定・要約を行い、判断の根拠を原文に紐づけて示します。 デモで見せていただいたのは、複数ページにまたがる診療明細書をUpstage Studio上で自動分類し、合計金額や本人負担額を抽出したうえで、約款の条件(総額10万円以上、本人負担金額5万円以上など)と突き合わせ、「担当者の確認が必要」という判断結果とその理由を出す、という流れです。手術確認書や処方箋といった複数種類の書類も正しく分類され、抽出した値がどの位置から取得されたかは画面上でハイライト表示されるほか、判断の根拠もどの項目を参照したかまで遡って確認できます。抽出スキーマのキー名を日本語に直したり、プロンプトを書き換えたりといった調整も、チャットで伝えるだけでその場に反映されていました。作成したエージェントはAPIとして発行でき、実際のシステムに組み込むときはエンドポイントを呼び出すだけで済みます。

4つのモデルを組み合わせて作成したエージェント Document Parse(読む)を使って診療費詳細内訳書を読み取り Instruct(判断)で「担当者の確認が必要」かどうかを判断し、その理由を示す ‍ 👉 実際にお見せしたStudioデモはこちら PART4|パートナー企業から見た、保険AI活用のリアル 株式会社アイリックコーポレーション 山内 諭史様 OCRが広がったことで帳票を読み取る段階のハードルは下がりましたが、読み取ったデータを約款やマニュアルと照らして判断する工程は、いまも人に委ねられたままです。申請内容の不備確認、自動査定(全体の3〜4割にとどまる)、人的査定という3つの領域に課題が残っており、特にベテラン担当者の暗黙知に頼った判断や、新商品が出るたびのルールメンテナンスが負担になっているといいます。これに対して保険会社への提案で重視しているのが、4つの要素です。AIが推論・判断できるよう専門データを構造化して整備すること、ベテランの暗黙知を言語化する業務の形式知化、保険の専門知識とAIの両方がわかる人材による業務と技術の融合、そして現場に「使ってみたら便利」と実感してもらう浸透。これらが連動して、初めて機能するといいます。 実際、ある保険会社から支払い査定に関する相談を受け、業務ヒアリングからプロンプト定義、動くプロトタイプの提示までをわずか1週間で仕上げた事例も紹介されました。Upstage StudioでAIによるヒューマンエラーチェック機能を実演し、プロンプトを定義するだけで実質半日ほどで形になったそうです。 こうしたスピード感は、一社だけで生み出せるものではありません。保険の知見を持つ企業、保険特化型のAIモデルを持つUpstage、基幹システム連携を担うSIer、それぞれの強みを持ち寄ることで、新しい保険AIサービスが生まれ始めていると説明しました。

当日寄せられた声 当社でも保険会社向けにAI関連の取り組みを進めており、これを機にさまざまな形でご一緒できる機会が増えればと感じました。 ちょうど自社でもLLMを使ったインテリジェントな文書処理の仕組みを構築している最中で、大いに参考になりました。取り組みの先進性に、正直差を感じるほどでした。 保険業界に特化したモデルの存在を初めて知ることができ、わずか1週間でデモまで形にするスピード感には驚かされました。 抽象的な話にとどまらず、現場ですぐに試せそうな提案が具体的に語られていて、聞き応えがありました。

まずはStudioに触れてみませんか 本フォーラムでご紹介したのは、保険の現場にある膨大な文書と、そこから求められる判断を、AIにどう託していけるかという話でした。大切なのは、まず動くものを一緒に作ってみることです。Upstage Studioでは、Document Parse(読む)・Document Classify(分ける)・Information Extract(取り出す)・Instruct(判断する)をノードとして組み合わせ、ご自身の業務文書を使ってこの流れをそのまま試すことができます。まずは一つ、手元の書類で試してみませんか。 👉 Upstage Studioを試す 👉 Upstage専門家チームに相談する ‍

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• Industry • September 25, 2026

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